日本で一番大切にしたい会社5 (著)坂本光司
日本で一番大切にしたい会社5 (著)坂本光司
この本を読んでちょっと自分の中のITベンチャー以外の会社に対する意識が変わりました。私は今までベンチャー最強というかこれから日本がより支援していくべきなのはベンチャー企業で、古き、時代の流れに乗れていない(というか乗れていないのではないかと勝手に自分が思ってしまっていただけ)企業は廃れていくべきだと思っていました。
しかし現実はそうでなく、いかに社員のことを考えているのか、いかに地域の方、顧客の方など自分ではない他の誰かに対してここまで真剣になれる人たちがいるのかと本当に感動しました。
主にその「日本で一番大切にしたい会社」を設立して、ここまでつなげてきた、創業者などの話が中心だったのですが、なぜその人がその事業をするのか、一体どういう経緯があって、その創業者は何を目指すのかなど事細かに描かれていました。あれほど自分ではない他の人について考えることができる人たちって今の自分になどうしても理解できない部分だし、本当に知ることができてよかったと思っています。
例えばですが、ある障害者で若くから事故で両腕を失くし、片目も潰れてしまっているという創業者の方の話なのですが、彼はまず自分が食べていけるように記者を目指したと言います。彼はとても努力家で両腕がないにもかかわらず、本を大量に読み、口でペンを使えるように訓練し、記者になりました。記者になってから、彼は素晴らしい業績をいくつもあげるのですが、やはり自分以外の障害者の方の支援もしたいということで安定の職を脱し、自ら大型クリーニング店を仲間の障害者の方々と興しました。両手、片目がないわけだし、その頃にはまだまだ障害者に対する世間の目も今以上にひどいものだったとのことなので、いかに自分たちの努力なんて薄っぺらいものなのか感じさせられました。
説明は省かせていただくが、この本では計5社の素晴らしい会社、素晴らしい創業者たちについて書かれていた。私もサービスの利益ばかり追い求めるだけではなく、自分以外の人の幸せ、顧客の幸せ、そして同僚たちの幸せを心から願えるそんな人たちがいるということにまず衝撃でした。是非効率化とか、合理性とか、そういうカッコよさげなことを追い求めている優秀な大学生にこそ、原点に立ち返る意味も込めて読んでいただきたいと思う。
次本
スタンフォードのストレスを力に変える教科書
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